東工大からも指摘!高専生には教養が足りない
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高専生には教養が足りないという意見が高専の内外から指摘されているが、その理由を解説する。
高専生の問題点が東工大から指摘される
高専生に教養が足りないことは前々から指摘されていたが、自らも高専出身であり、東京工業大学・教授の益一哉氏が日本経済新聞のインタビューで、「高専に課題はありますか」という質問に対して、次のように述べており、高専生に教養が不足した結果、視野が狭くなり、人との協調性が欠けていることを指摘している。
高専の短く限られた授業時間の中でも、社会を見る目を養う教養教育を増やして視野を広げるべきだ
(中略)
高専生は視野が狭くなる傾向にある
(中略)
人と協調するには教養的な部分も必要
文系科目の授業が少なく、教科書どおりに授業が進まない
高専生に教養が足りない理由の1つは、普通の高校に比べて、高専には社会や国語といった文系科目の授業が少ないことだ。
また、記事「教員の授業レベルの差が大きい」で詳しく紹介したが、高専には学習指導要領がないため、教科書どおりに授業が進まず、学習する内容が少ない。
下の図は教科書どおりに授業が進んでいた割合を示したものだが、中学校の時に比べて、文系科目はほとんど進んでいない。
企業も大学も教養より技術力を求める
例えば、ある企業がウェブデザイナーを募集した際、教養があって未経験の人材よりも、フォトショップ(画像編集ソフト)やイラストレーター(グラフィックス制作ソフト)が扱える人材の方を選ぶ。つまり企業は教養よりも技術力を求めるのだ。
高専に求人を出している企業も同様に、教養のある人材よりも技術力がある人材を求めており、教養力を高めにくい要因になっている。
また、高専生が進学する大学も同様に、学生には教養力よりも専門分野の知識を求めている。
実際に、一部の大学を除いて、大学編入試験に国語や社会が出題されないのが現状だ。