令和3年度は高専の志願者数が激減 今後は推薦がカギに
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令和3年度の入試で、高専の約9割の学校は志願者数が大きく減少した。この原因を紹介し、今後の高専入試を予想する。
志願者数が2~3割以上減少
令和3年度の入試において、(入試データが不明の学校を除き)約9割の高専で志願者数が前年に比べて2〜3割以上が減っている。
一方、前年に比べて志願者数が上がっている高専は、推薦選抜の合格者数が多い傾向にある。
入試全体に占める推薦選抜合格者数の割合 | 志願者数の増減(前年比) | |
---|---|---|
鳥羽 | 67% | +51 |
明石 | 51% | +31 |
高知 | 82% | +104 |
有明 | 57% | +51 |
(志願者数は推薦と学力を合わせた値)
コロナと私立高校授業料実質無償化で定員割れが増加
コロナで推薦入試に人気が集まる
令和3年度の志願者数は、高専だけでなく他の公立高校も大きく下がっている。調べてみると朝日新聞デジタルに以下の記事があった。
コロナ禍による経済悪化で公立志望が増えるかと思われたが、志願倍率の低下や定員割れが目立つ。一方、首都圏で東京都だけが行っている推薦入試では、早く確実な合格を求めてか、倍率が上がった。
先ほど推薦入試の合格者数の多い高専は志願者数が増加したことを紹介したが、他の学校でも同様のことが起きていたのだ。
私立高校授業料実質無償化で国公立の人気が低下
入試全体の志願者数が減少した理由は、令和2年4月から実施された私立高校の授業料実質無償化である。
無償化により、年収が一定額以下の世帯は私立高校の授業料がゼロとなる一方、国公立高校の授業料は以前と変わらないため、志願者数が大きく減少する要因となっている。
今後は高専の統廃合、募集人数の減少が加速
私立高校授業料実質無償化が続く限り、高専の志願者数は最低水準まで下がり続け、もともと人気の低い学校は定員割れを防ぐために募集人数を減少させ、さらに学校の統廃合も加速していくでしょう。
また定員を確保するために、高知高専のように推薦選抜の合格者が全体の8割以上になる学校も増えていくでしょう。