ホーム  > 高専の入試対策  > 一部の高専で9月から入試が始まる

一部の高専で9月から入試が始まる

スポンサードリンク

八戸高専では9月から入試が始まっている。そこで今回は9月に入試を行うメリットと、その背景を解説する。

八戸高専は9月に入試が開始、最大16名が入学

八戸高専では毎年1月〜2月に行われる推薦選抜と学力選抜に加えて、令和4年9月から新たに「国際的エンジニア育成特別選抜」を実施した。試験内容は数学と英語、面接などであり、最大16名が合格する。

この選抜の合格者には特典がいくつかあり、以下はその一部である。

  1. 夏休みに実施される海外研修(シンガポール・モンゴルなど)に優先的に参加でき、さらに各コース1名、1回に限り、渡航・滞在費が免除
  2. 令和4年度に新築した国際寮(全室個室)に優先的に入寮可
    (出典:八戸高専ー国際的エンジニア育成特別選抜 入学者募集要項

また9月に合格すれば、翌年の3月までの6ヶ月間、中学校へ行く必要がなくなるため、受験生にとってはメリットが大きい。

背景には志願者数の低迷

しかし受験日をこんなに早くした背景には、志願者数の低迷が関わっていると思う。

なぜなら八戸高専の志願者数は年々減少傾向にあり、令和5年度の学力選抜にいたっては4つのコース(学科)の内、2つのコースで定員割れを起こしている。(下のグラフ参照)
八戸高専における学力の入試倍率の推移
(八戸高専の学力選抜における入試倍率の推移)

そのため何としてでも志願者を増やす必要があり、私立高校よりも早く実施することで受験生を囲い込む戦略だと思われる。

本当の狙いは留学生を集めることか

9月に試験を実施するメリットが他にあるか調べてみたが、考えられるのは海外からの留学生が受験しやすくなることだ。

例えば中途採用なら採用成功ナビー東大9月入学問題を考えるによれば世界215カ国中、4月に学校へ入学するのは日本やインドなどの7カ国のみで、欧米を含め多くの国では9月に入学する。

よって日本国内の受験生ではなく、海外からの留学生を集めるために9月に入試を実施した可能性もある。

いずれにせよ、他の高専、特に地方の高専でも年々志願者が減り続け、一部の高専では定員割れを起こしているので、今後は他の高専でも夏に入試が実施される可能性は十分にありえる。

スポンサードリンク