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建築業界の将来性

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かつて私は日本の伝統建築に興味を持ち、建築関連の本を30冊以上読んだ。すると現代の日本における建築業界の良い面や悪い面が垣間見えてくる。

今回は、日本の建築業界の将来性を考える。

木造建築の耐久性は世界最高

千年以上前から日本の木造建築技術は世界最高水準であり、奈良県の法隆寺にいたっては、1400年経っても頑丈なままである。

また、木造建築に使われるスギ・ヒノキ・ヒバといった日本の木材は湿度に強く、強度が高い。

よって、日本の伝統的な木造建築は耐久性に優れ、何百年も耐えられる設計となっている。

鉄骨や鉄筋コンクリートの普及で寿命は数十年に

しかし(前述した耐久性のある)伝統的な木造建築の建物は、日本では今やごく一部しか残っていない。理由は、伝統的な木造建築はコストが高く、施工期間も長いからだ。

今やビルやマンションのみならず、一戸建て住宅でさえ鉄骨や鉄筋コンクリートによって建てられている。木造住宅も建てられているが、伝統的な建築物とは異なり、安くて耐久性が低い。

鉄骨・鉄筋コンクリートの耐久性は、理論上では200年以上とされているが、実際には100年持ちこたえたビルやマンションはほとんどなく、数十年で取り壊されている。

よって、日本は木造建築において世界最高水準の技術を持っているにもかかわらず、鉄骨・鉄筋コンクリートといった耐久性の低い技術が普及していることが現状だ。

海外に技術移転できない

トヨタや日立といった日本のメーカーが海外で活躍し、メディアでも大きく報道されている。

しかし、「日本の建築メーカーが海外で活躍している」といった報道は聞かない。理由は、技術の海外移転が難しいからだ。いくら素晴らしい建築技術を持っていても、環境や文化が異なる国では、消費者が受け入れてくれないのだ。

日本で「北欧式ログハウス」や「中国式レンガ住宅」、そして「インドネシア式高床住宅」がはやらないのも環境や文化が異なるせいである。安くて快適な住宅であっても、海外の住宅は日本に適さない。

よって、日本の住宅メーカーが海外に活路を見出すのは不可能である。

日本の住宅は飽和状態

日本の住宅市場は飽和状態であり、空き家率が年々上昇している。日本の人口は減少していく中、空き家はさらに増えていくでしょう。

よって、日本国内で住宅の需要増加は望めない。

結論:日本の建築業界は衰退する

日本の建築技術が世界最高水準であったとしても、海外に活路を見出すのは不可能であり、国内では住宅市場が縮小していく。

よって、日本の建築業界はどんどん衰退していくでしょう。

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