航海士の将来性

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日本人航海士は急激に減り続け、さらに高齢化も進んでいる。一方、外国人航海士は増え続け、外航船の船員の9割以上が外国人となっている。

今回は、日本の航海士の将来性を考える。

急激に減少した日本人航海士

下のグラフは国土交通省が公開している日本人船員数の推移であるが、外航(日本と外国及び外国相互間の航海)ならびに内航(日本国内間の航海)の船員数は昭和49年をピークに急激に減少している。
日本人船員数の推移
(出典:国土交通省-海事産業の動向と施策

また、国土交通省-船員の現状と分析によれば、船員の高齢化も進んでいる。さらに平成22年度の有効求人倍率は0.41倍となり、平成22年度の日本の平均有効求人倍率である0.56倍を下回っているのだ。

一方、日本の外航船に乗る外国人は増え続け、現在では船員の9割以上が外国人となっておりグローバル化が進んでいることがわかる。中でもフィリピン人船員は全体の7割を占めており、昭和の頃に比べて船員の賃金が低下していることが考えられる。

介護士不足と同じ構造

日本は高齢化が世界で最も進んでいる一方で、介護士が不足し続けている。

私が介護士から直接聞いた話では、本来は資格が無いと仕事はできないが、「研修」という形であれば資格がなくても普通に働ける仕組みとなっている。

しかしこのような規制緩和が進んでいるにもかかわらず、依然として介護士不足は深刻になっているため、現在では東南アジアから介護職を専門とする労働移民を増やしている。

この介護士不足の大きな問題点は、介護という仕事が重労働にもかかわらず低賃金なことだ。将来を悲観した若者を中心に他の仕事へと転職していくため介護士になったとしても3年以内に辞める人が多く、人手不足が解決できない状況が続いている。

航海士も同様に重労働かつ命を落とす危険性も高い割に賃金が低い。そしてグローバル化が進む中、今後は外国船や外国人船員との価格競争が激しくなっていく。

高専の商船学科は外航船に乗る航海士や機関士を養成する学科であるが、卒業した後は厳しい現実が待っているでしょう。

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