高専編入の疑問と答え
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工業高校(最近は名称を工科高校や総合技術高校に変えている学校もあるが、以下「工業高校」とする)から高専編入に関する質問と、その答えを紹介する。
Q1:所属した学科によって編入できる学科は決まるのか?
A1:決まっている(長野高専)
工業高校に所属していた学科によって受験できる学科が異なる。単位の都合上、志望学科に関連している学科に所属していた者だけが受験できる仕組みである。
下の表は長野高専の募集要項の一例である。詳しくは長野高専―高校生の編入学試験についてへ。
志望学科 | 出身校における所属科 |
---|---|
機械工学科 | 機械、電子機械、生産システム、環境システムに関する科 |
電気電子工学科 | 電気、電子工学、情報技術に関する科 |
電子制御工学科 | 電子機械、機械、電気、電子工学、生産システム、環境システムに関する科 |
電子情報工学科 | 情報技術、電気、電子工学に関する科 |
環境都市工学科 | 土木、農業土木、建築、建設工学に関する科 |
一方、出身校における所属科を限定しない高専もある。
Q2:普通の高校から受験は可能なのか?
A2:ほぼ不可能である
高専の機械系学科を受験する学生は、高校時代に機械系学科に所属しておく必要がある。
ただ、普通の高校の受験生も学校もある。宇部高専では普通科出身の学生が高専へ受験できる仕組みなっている。しかも、普通科の出身者は全学科受験できる。
Q3:募集人数の「若干名」て何人?
A3:0~4人
「若干名」とは学校の求める学力水準によって人数が変わる。成績が悪い受験者ばかりだと合格者はゼロ。反対に、優秀な受験者ばかりだと全員合格する。そのため、受験する年度によって、合格者数が異なる。
私の在籍していた高専では受け入れる編入生を4名までと決めていた。同様に、おそらく他の高専でも合格者数を1桁に抑えているでしょう。また、教室では最大42名しか収容できないため、座席の空きによって合格者数が変化する。
よって、「若干名」とは不明瞭な合格者数であり、受験する年度によって合格者数が変化する。
Q4:偏差値が低いので心配である
A4:合格の可能性はある
教室内に座席の空き状況によって、学力が低くても合格する可能性がある。
Q5:面接にはどんな種類があるのか?
A5:一般的な質疑応答、または、面接官の目の前で問題を解く質疑応答
編入試験の選抜方法に「面接」と書かれていた場合、一般的な質疑応答である。
ただ、高専によっては受験生に問題用紙を渡し、黒板に問題の解答と解き方を説明させる場合もある。
Q6:編入生の高専卒業後の進路は?
A6:進学か就職である
私の在籍していた高専に編入してきた学生は旧帝国大学(東大・京大・阪大など)を受験する人もいれば、就職する人もいた。進路はバラバラである。
Q7:高専の勉強についていけるのか?
A7:十分ついていける
ある編入生は工業高校の教員から「この学校(高校)で一番でも、高専では最下位だ」という趣旨の発言をされたようだが、間違いである。
数十年前の高専は、確かに入試倍率数十倍、偏差値70以上であったが、今の高専は学力が低くなった。なので、高専の授業には十分ついていける。(ただ、数学などの分野で遅れがあるため、数カ月は苦労すると思う。)
また、編入生の方が就職志望の既存の高専生より真面目なので、良い成績を取りやすい。
Q8:高校時代に取得した資格は単位として認められるか?
A8:認められない
高校時代に漢字検定準1級・英語検定2級などを取得していても、単位認定はされない。単位認定されるのは高専在学中に取得した資格のみだ。単位がほしい学生は高専編入後、もう一度検定試験を受けて合格する必要がある。
同様に私が聞いた話では、高校から大学に進学した際も高校時代に習得した資格は単位認定されない。