普通高校から難関大学への進学は難しい時代へ
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昔は普通高校の学生が猛勉強して難関大学へ進学するのが一般的だったが、近年は中高一貫校の学生が難関大学へ進学している。
東大入学者の大部分は中高一貫校出身者
下の図は中高一貫校の推移を示したものである。
(図の出典:文部科学省―平成28年度 高等学校教育に関する推進状況について)
記事「中高一貫校と高専の違い」で詳しく紹介したが、中高一貫校とは、中学と高校を合わせた6年制の学校であり、大学受験対策に特化することで進学実績を伸ばし、人気が上昇している学校だ。
例えば東大合格者の大部分は中高一貫校の出身者が占めているが、東大に限らず、中高一貫校の方が難関大学に進学しやすい。
その分、従来型の学校から難関大学へ進学することは難しくなっており、昔は出身の学校に関係なく猛勉強して東大や京大に合格するのが普通だった(芸能人が猛勉強して東大に合格するテレビ番組も実際にあった)が、近年は普通の高校からだと進学しにくい。
高専からの大学編入も難しくなる
「昔と比べれば、高専から大学へ編入するのは難しくなった」という意見があるが、そもそも国公立の高校から難関大学への進学自体が難しくなっているので、当然の結果である。
ただし、高専から国公立大学への合格者数は毎年ほぼ同じであり、公立高校に比べれば、大学進学は依然として有利である。
大学の学力は上がっていない
大学受験の難易度が上がっても、試験に強い学生が増えただけであり、基礎学力は上がっていない。実際に私が大学の教員から聞いた話では、大学生の学力は年々落ちている。
また、日本企業が優秀な人材を求めて海外移転を加速している現状を見ても、企業が求める人材が育っていないことが推測できる。
高専の就職率や求人数が昔から高いのも、裏を返せば、大学生の人材不足が原因だ。