部活で長時間練習してもうまくならない
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学校の部活動において、放課後の練習に加え、早朝や土日、さらに合宿を開催して部員に長時間の練習を強制させる事例は多々あるが、プロスポーツ選手の成功例を見ると、練習を長くしてもうまくならないことが判明している。
週5日、1日3時間の練習でオリンピックへ
NHK クローズアップ現代+『「死ね!バカ!」これが指導? ~広がる“ブラック部活”~』では、400mハードルの日本記録保持者で、3度のオリンピックに出場した為末大氏が次のように述べており、長時間練習しても効果がないことを自身の経験をもとに紹介している。
週に5日ぐらいトレーニングをして、2日休みだったんですけど、結局、最後、オリンピックに出るレベルになっても変わらなかったんですね。
ですので、1日長くて3時間、プロになってからもですね。
それ以上いくと、感覚的には練習効果がなかったなっていう気がしています。
スポーツは努力や経験よりも圧倒的に才能が重視される業界であり、さらに人間が集中できる時間は限られているので、為末氏のように短い時間の中で集中して練習した方が効率的である。
一方、練習時間が長いほどケガのリスクが高まり、一旦ケガをすると能力が下がってしまうので、リスク管理の観点から見れば非効率な長時間の練習は危険だ。
指導力がない者ほど暴力や根性論を利用する
そもそも学校の部活で指導をする者(たいていは教員)は、プロスポーツ選手として活躍した経歴がないため的確な指導はできない。
にもかかわらず、部員らに暴言を吐き、炎天下でプレーするといった暴力を浴びせ、根性論を利用して長時間練習させるのは、先ほど紹介したサイトで登場する名古屋大学准教授の教育学者・内田良氏よれば、技術的な指導ができない者ほどその傾向が強い。
一方、例えばプロサッカーの場合、どのクラブチームも1日2時間程度しか練習がなく、後は個人の自主練習で能力を鍛える仕組みを採用している。つまり、技術的な指導力の高い者ほど練習時間は短く、的確な指示を出せるのだ。
真の目的は自身の名誉のため
そもそも、部員に長時間練習させる指導者の真の目的は自身の名誉のためである。
社員を死ぬまで働かせて巨万の富を得るブラック企業の経営者と同じく、表では「学生(社員)のため」と言う一方で、内心は「全国大会出場」といった指導者(経営者)自身の名誉(利益)のため部員に長時間の練習を強要している。
学校の部活動で何時間も練習するくらいなら、プロスポーツ選手が実践している食生活をマネしたり、メンタルトレーニングをした方が試合で好成績を残せるかもしれない。