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高専の未来

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高専はこれからも存続するのだろうか? 高専の未来について、将来性について考察する。

高専に似た教育機関がない

工科高校(工業高校)は「実践力」ある技術者を、大学工学部は「知識力」ある技術者を育てるのに対して、高専は高校3年間と大学2年間が合わさった教育機関であり、実践力と知識を両方バランスよく併せ持った技術者を育てる。

高専は、いわば短大(短期大学)に近い存在であり、就活(就職活動)で高専生のライバルとなるのは年齢的にも短大生となる。

では、全国の短大の現状はどうなのだろうか?

現在は国立の短大がなくなり、公立の短大も少ししかない。しかも、公立の短大であっても、(私の調べた限り)理学部や工学部を設置している学校は1校だけだった。

一方、文部科学省-公私立短期大学によれば、私立の短大は全国にたくさんある。だが、理学部や工学部を設置している学校は非常に少ない。

もし国公立の短大工学部が増えれば高専生の就活のライバルが増えるが、少子化が進む中、新たな国公立大学が増えるとは思えない。

たとえ私立の短大が工学部を多数設置したとしても、そもそも高専と学力が大きく異なるので、(大変失礼だが)高専にライバルになる存在ではない。

高専は、ほぼ100パーセントの就職率と20倍以上の求人倍率を誇るが、高専生に取って代わる存在はいないため、今後も現状(高い就職率)は変わらないでしょう。

就職率100パーセントは続く

高専の就職率は創設以来ほぼ100パーセントを維持してきた。

しかし近年はグローバル化に伴い、生産拠点を海外に移すケースが自動車メーカーを中心に増えてきた。それに伴い、今後は製造業の求人数は減っていくでしょう。

しかし、日本の産業構造が大きく変化しない限り、産業界は今後も実践力と知識を両方バランスよく併せ持った技術者=高専生を求め続けるでしょう。

学校数・学生数は減少へ

一方、近年は少子化が進んでおり、高専を受験する学生の数は年々減少している。
高専の入学志願者数の推移
(出典:文部科学省-高等専門学校の充実について

近年、高専は学校の統廃合と入学定員削減が徐々に行われている。今後も、学校の統廃合と入学定員の削減がさらに進むでしょう。
高専の入学定員と入学者数の推移
(出典:文部科学省-高等専門学校の充実について)

また、入学定員の削減に伴い、在校生の数も減り続けている。
高専の在校生の推移
(出典:文部科学省-高等専門学校の充実について)

結論:就職率100パーセントは維持するが、学生数は減少へ

高専に似た教育機関が日本にほとんどなく、産業界からの需要で今後も就職率100パーセントは維持されるでしょう。

しかし、少子化の影響で学校数・学生数は減少していくだろう。

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