高専生は大学生より数十倍楽な就活
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高専は就職率99%以上、求人倍率20倍以上の実績を持つ。その高い就職率の理由を解説する。
就職率99.5パーセント、20倍以上の求人数
近年は大学を卒業しても就職できない若者が増えている。
一方、高専生はほぼ100パーセント就職できる。文部科学省・厚生労働省の2009年度就職状況調査によれば、就職率は大学が91.8%、短大が88.4%なのに対して、高専が99.5%(求人倍率24.7倍)である。
求人倍率とは学生1人あたりに何件の求人があるかを示している。求人倍率24.7倍ということは結婚に例えると「学生1人に24.7社からプロポーズされる」ということであり、高専生は企業からモテモテの状態だ。
一方、大卒の求人倍率は1.27倍(2012年)なので、高専の求人倍率は大学に比べ約20倍である。
その結果、日経ビジネスオンライン-平成の“金の卵”、高専卒人材で紹介されているが、福井高専1校だけの合同説明会に104社が参加しており、企業が高専生の獲得に力を入れていることがわかる。
下のグラフは、企業が高専卒業生に対して満足しているかどうかを示したアンケート結果であるが、7割の企業が「満足」と答えており、高専生が高く評価されていることがわかる。
(出典:文部科学省-高等専門学校の充実について)
なぜ求人倍率がいいのか
高専生が企業から人気がある理由は主に以下の3つの特徴があるからだ。
- 長年の実績がある
- 厳しい学生生活を耐えている
- 高専に似た教育機関がない
長年の実績がある
かつての高専は入試倍率数十倍の学校であり、偏差値が非常に高くて優秀な学校であった。その時の学生たちが就職して企業で実績を残しており、高専生を積極的に受け入れている。
つまり、高専を卒業した先輩のおかげである。
厳しい学生生活を耐えている
普通の高校生に比べ、高専生は留年率100倍、退学率6倍の厳しい学校生活を耐えている。よって、高専生は一般的な大学生や高校生に比べて大きな違いがある。
高専に似た教育機関がない
記事「高専の未来」で紹介したが、日本には高専に似た教育機関がないため、企業にとって高専生は貴重な存在なのだ。
その他
学力がある程度高くて科学技術を一通り実習している高専生は即戦力になるので採用しやすい。
また、何らかの都合で労働者不足の企業が、秋以降にも高専に直接求人を出す場合、就職試験に何度も落ちた学生でも大手企業に受かったりする。