公立高校の滑り止めとして高専も受験できる
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従来の高専の受験制度では、高専に合格すると必ず高専に入学しなければならなかった。
しかし現在、いくつかの高専では、公立高校と高専に両方合格しても、公立高校に進学できる制度を採用している。この制度の特徴と実態を紹介する。
公立高校を第一志望として高専を併願できる
下の図のように、いくつかの高専では、高専に合格しても公立高校に進学できる制度を採用している。
(出典:高専と公立高校の併願方法)
この「公立高校第一志望型併願」制度は主に入試倍率の低い高専で実施しており、(私の確認した限り2023年度時点で)函館・苫小牧・釧路・旭川・木更津・富山・鈴鹿・米子・松江・津山・広島・徳山・大島・弓削高専で実施している。
年に数名ほどしか合格していない
しかしこの制度には問題点も多く(次章で後述)、例えば木更津高専では以下の通り、併願で合格した者は年に数人しかいない。
木更津高専の面接を受けた者(人) | 合格者(人) | |
---|---|---|
令和5年度 | 4 | 4 |
令和4年度 | 6 | 6 |
令和3年度 | 2 | 2 |
たくさん来られると教室がパンクする
高専の新入生が定員を下回れば国からの予算などの収入が減る一方、新入生が多すぎれば学生が教室に入り切らなくなってパンクして(他の教室へ追い出すことになって)教員の追加採用や教室の追加工事といった莫大なコストがかかる。
よってそのようなリスクを高専は負いたくないので、併願受験の合格者は少なく設定されている。
私立高校に入りたくない場合、高専を滑り止めとして使える
従来は公立高校の滑り止めとして、多くの受験生は私立高校を選択していた。
私立高校授業料実質無償化が始まったとはいえ、私立高校は制服などの授業以外の学費がまだ高いため、私立高校に入学したくない受験生は、(公立高校との併願受験を認めている)高専を滑り止めとして選択するのも良いかもしれない。