融合している学科
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高専によって、A学科とB学科を合体してAB学科としているところもある。学科の融合をするメリットとデメリットを紹介する。
別々の学科同士が合体した例
合体例 | 組み合わせ |
---|---|
電子機械工学科 | 電子制御工学科+機械工学科 |
電気電子工学科 | 電気工学科+電子制御工学科 |
制御情報工学科 | 電子制御工学科+情報工学科 |
建築・都市環境工学科 | 建築学科+環境都市工学科 |
一般的に機械系学科と呼ばれる機械工学科、電気工学科、電子制御工学科は授業内容が似ており、系統内(例えば、機械工学科→電気工学科)で進路先を変更しやすい。また、情報系学科と電子制御工学科も授業内容が少し似ており、進路を変更しやすい。
そこで、学科を再編し、学科同士を合体させる例をよく見かける。教員数削減や学生の選択肢が増えるメリットがある一方、修得する科目が多いため専門的な研究がしにくいデメリットを持つ。
多数の分野を扱う学科=全学科統合型
学科の変更がしにくいで詳しく書いたが、一般的に高専で転科(所属する学科を変えること)はほぼ不可能である。よって、機械工学科に入学した学生は卒業するまで機械工学科だ。
反対に、高専によっては高専の学科編成の違いで紹介した全学科統合型のように、様々(機械・電気・電子・情報・化学・建築など)な学問を融合している学科がある。
仕組み
全学科統合型では、入学生は同じ学科に所属し、そこですべての専門学科の基礎を学ぶ。2年生または3年生に進級すると、専門の学科に所属する。その後は卒業するまで同じ学科である。
例えば公大高専の総合工学システム学科は、1~2年生で総合的に工学を学び、3年生から専門の学科に別れる仕組みだ。
また、都立高専も同様に、1年生は「ものづくり工学科」で工学の基礎を学び、2年生から8つの学科に分かれる仕組みである。
全学科統合型のメリット
あらゆる専門分野に触れる機会が増えるため、以下のメリットがある。
- 学科選択を失敗するリスクを抑えることができる
- 様々な分野の知識が身につく
全学科統合型のデメリット
専門外のことも勉強するため、その分本来勉強するべき科目の学習時間が減る。よって、以下のデメリットがある。
- 学習レベルの低下
- 専門知識・技能の不足
全学科統合型一覧
(2022年度時点で私が調べて限り、)全学科統合型の学科編成をしているのは、苫小牧、函館(の一部)、釧路、秋田、一関、鶴岡、茨城、都立、舞鶴(の一部)、公大、近大、米子、津山、阿南、高知、有明、北九州高専である。