高専の学科編成の違い
スポンサードリンク
高専の学科編成は、次の4種類が存在し、それぞれ紹介する。
- 通常型
- 全学科統合型
- 仮配属型
- 混合学級型
通常型
通常型では、A学科に所属すれば、卒業までA学科に在籍する。
途中でB学科に転科(所属する学科を変えること)することも可能だが、実際には「単位認定」と「教室の収容人数の限度」の関係により難しく、転科はクラスで1人くらいしか許されない。よって、機械工学科に入学した学生は、卒業まで機械工学科に在籍する。
以前までは、高専の学科編成では通常型を採用している学校がほとんどだった。しかし現在では、次に述べる「全学科統合型」や「混合学級型」を採用している学校が増えている。したがって、通常型の学科編成を採用している学校は、そのうち半分未満になるでしょう。
全学科統合型
全学科統合型では、入学生は同じ学科に所属し、そこですべての専門学科の基礎を学ぶ。2年生または3年生に進級すると、専門の学科に所属する。その後は卒業するまで同じ学科である。
(2022年度時点で私が調べて限り、)全学科統合型の学科編成をしているのは、苫小牧、函館(の一部)、釧路、秋田、一関、鶴岡、茨城、都立、舞鶴(の一部)、公大、近大、米子、津山、阿南、高知、有明、北九州高専である。
なお、全学科統合型の学科は「総合工学科」や「創造システム工学科」といった名称になっており、1学科のみを募集している。
一方、函館高専のように3学科(生産システム工学科・物質環境工学科・社会基盤工学科)を募集し、その学科内だけで全学科統合型の学科編成をしているところもある。下は生産システム工学科の学科編成の図。
(出典:函館工業高等専門学校-生産システム工学科(機械コース・電気電子コース・情報コース) 1~3年生 コース・カリキュラム)
仮配属型
仮配属型は、前述した通常型を転科しやすくした仕組みだ。2年生に進級した際、1年生で在籍した学科に残ることもできるが、他の学科に転科することもできる。
混合学級型
混合学級型とは、入学時には学科ごとに学生を募集するが、1年生の間は全学科を混合したクラスで学ぶことである。
前述した全学科統合型や仮配属型との違いは、転科しにくいことだ。前述した通常型と同様に、(学校によって異なるが、)転科できるのはごく一部の学生だけである。
仮配属型と混合学級型を両方採用している学校も多数ある。また、低学年で混合学級型の学科編成を採用している学校は非常に多く、現在では約半分の学校が採用している。
転科しやすい学科の注意点:成績が悪いと志望する学科に進級できない
全学科統合型では、高専1年生または2年生の成績で専門学科の進級が判断される。そのため、ある学科に志望者が殺到した場合は、普段の成績が悪いと、志望する学科に進級できず、第2・第3の志望学科に進級することになる。
そして仮配属型では、入学時にA学科に所属して卒業までA学科に所属することを希望していても、A学科に人気が集中すれば、成績が原因で強制的にB学科に転科させられる。(学校によっては制度が少し異なる可能性あり。)
よって、転科がしやすい学科編成ではデメリットも大きい仕組みとなっている。
私は全学科統合型が良いと思う
私の個人的な意見では、全学科統合型のような学科編成が一番良いと思う。
理由は、実際に授業で触れてみないと面白さや辛さがわからないものが多く、在学中に進路変更しやすい仕組みが必要だからだ。