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近年の高専の動向

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学科や学校の統廃合など、高専の近年の動向を紹介する。

入試倍率と募集定員の減少

少子化、理科離れの進行、4年制大学等への進学者の増加などの影響により、高専の立ち位置は大きく変化している。

国立高専の創設直後の入試倍率は17倍だったが、1970年代以降、徐々に減り続け、2005年度に初めて平均で2倍を切った。2015年(平成27年)度には国公私立合わせて1.76倍となり、過去最低記録を更新しており、昔に比べれば入学しやすくなっている。
高専の入試倍率の推移
(出典:文部科学省-高等専門学校の充実について

一方、入試倍率を1.0倍以上に保つため、近年はわざと募集定員を減らしている学校も若干増えている。
高専の入学定員と入学者数の推移
(出典:文部科学省-高等専門学校の充実について)

学校の統廃合

宮城・富山・香川・熊本の各県に設置されていた8高専が少子化に対応するため、下の表のように学校が合併し、学科数を減らした上で1県1校2キャンパスの「スーパー高専」として再編成された。

スーパー高専の歴史
合併前 合併後
宮城高専(5)・仙台電波高専(4) 仙台高専(7)
富山高専(4)・富山商船高専(4) 富山高専(6)
高松高専(4)・詫間電波高専(4) 香川高専(7)
八代高専(4)・熊本電波高専(4) 熊本高専(6)

()内は学科数

少子化が進む中、学校の統廃合が数年に1回の速度で進んでいる。

全学科統合の動き

従来は入学前に学科を選択して受験していた。

しかし現在では、下の図のように入学後に機械・電気・電子・情報・化学・建築学科を入学してから数年後に選べる仕組みが登場している。
全学科統合型の学科編成

この全学科統合のシステムでは、すべての学科を融合し、低学年は総合的に工学を学べる学科に所属する。低学年で総合的に工学を学んだ後は、2~3年生に専門の学科に別れる。

(2022年度時点で私が調べて限り、)全学科統合型の学科編成をしているのは、苫小牧函館(の一部)、釧路秋田一関鶴岡茨城都立舞鶴(の一部)、公大近大米子津山阿南高知有明北九州高専である。

また、日刊工業新聞-高専機構、国立高専に学科再編の検討を指示によれば、全国51の国立高専を統括している高専機構(独立行政法人 国立高等専門学校機構)は、従来の学科構成(入学してから卒業するまで同じ学科の構成)を見直し、先ほど紹介した全学科統合多型の学科構成にするよう各学校に促している。

よって、全学科統合の動きは今後も進むでしょう。

同時受験が可能に

従来は、高専と公立高校を併願受験して、高専に合格すれば、公立高校に入学することはできなかった。

しかし高専と公立高校の併願方法で詳しく紹介したが、少子化が進んで受験生が少なくなった高専では、「高専と公立高校を両方とも合格した場合、高専と公立高校のどちらに入学するのか、後から決められる」制度を採用するところが増えている。

また、高専を複数校同時に受験できる制度も始まっている。

平成28年度より、全国の国立高専の入試でマークシート方式が採用される。それに伴い、複数の高専を同時に受験しやすくなる。

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